最終年度は、越境保護区(TBPA)の発展的研究を企図して、国内レベルのTBPAやネットワーク型のTBPAにおける事務局機能及び情報共有の仕組みに関する資料収集を慶良間諸島海域、ドナウ川流域等で行った。いずれも越境性の高い自然資源の管理に際して、いかに国家や自治体間でコスト分担や役割分担を行っているかを知るうえで興味深い事例である。いずれもすぐには成果に結びつかない萌芽的事例であるが、今後の研究に繋がる良いデータを得ることができた。 自然保護ガバナンスの発展的研究に関する成果として、ユネスコ、日本環境学会、日本造園学会より論文を刊行した。2015年2月には、ケンブリッジ大学で開催された生物多様性と法に関する専門家会合において、3年間の研究成果に関する口頭発表を行った(タイトルは、Governance for Beyond the Boundary Model)。同内容は近日中に国際誌に論文投稿する予定である。また、本研究の成果として日本生態学会、日本環境学会に投稿中の論文が2本ある。
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