本研究は,2011年3月に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故について,「環境指標を用いた原発事故の影響に関する評価」と「持続可能な発展のための教育(ESD)に資する教材の作成や活用」の2つを目的とした。福島県の物質フロー推計では,原発事故に伴う汚染廃棄物は約3,173万トンであり,総物質投入量を上回る量だった。教材については,国が事故の前後に発行した原子力・放射線教育に関する副読本の内容分析を行った結果,偏りが見られることが明らかになった。その教訓を踏まえ,ESDでも重要な能力の一つとされる批判的思考力を育むため,独自の教材を作成した。
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