今年度は分析に先立ち、主として2014年4月に閣議決定された、新しい「エネルギー基本計画」、省エネルギー・新エネルギー政策、資源・燃料政策、「第三次循環型社会形成推進基本計画」、3Rイニシアティブ、廃棄物・リサイクル対策等、日本におけるエネルギー・物質循環にかかわる政策の精査をとり行った。 他方で、中国についても、「国民経済と社会発展・第十二次五ヶ年(2011-2015年)計画要綱」中の鉱物資源政策・エネルギー政策等に係わる「緑色発展 資源節約型・環境友好型社会の構築」をはじめとする各種の政策を分析した。とくにエネルギー計画にかんしては「西電東送」「南方送電網発展計画(2013年~2020年)」といった主要な政策を対象とした。 また日本の地域間産業連関表、日中地域間産業連関表等に基づき、太陽光・風力・バイオマス・地熱発電といった、再生可能エネルギーの製造・発電・メンテナンスの各種部門にかんする拡張産業連関表を作成した。これによりつつ、省資源・エネルギー効果や、エネルギー代替の効果について、各々定量的に明らかにした。 さらに2014年に国連等により公表された、System of Environmental-Economic Accounting 2012 Central Framework(SEEA-CF)の最終確定版について、環境サテライト勘定であるSEEAの各版における位置づけ、環境評価を中心とした特徴を明確化した。これに基づき、とくにSEEA-CFのエネルギーおよび物質のサブシステムを推計し、その他最新の代表的な集約型指標や個別指標群との比較を行った。 最後に日本におけるエネルギーミックスや省エネを考慮した産業連関表・CGE等に基づく経済影響評価モデルを比較検討して、本研究で推計したモデルとの対比をとり行った。
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