再生資源貿易は国際分業の観点からは経済効率的であると考えられる一方で,途上国に環境負荷を集積させている可能性がある。本研究では,日中間の再生資源貿易ならびにリサイクルを事例として分析を行った。 中国は労働コストの面で再生原料製造に,生産技術の水準が高い日本はリサイクル製品製造に競争力を持っており,マテリアルリサイクルの製造工程における垂直的分業が経済効率的である。しかし,低品質の再生原料を用いたリサイクル製品は,複数回のリサイクルには適さない場合がある。マルチサイクルの国際分業を推進するためには,中国におけるリサイクル技術向上の支援策が必要である。
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