本研究では、90年代後半から各地で進められてきた日本のフットパス事業の特徴と発展状況を、イングランドの状況と比較しつつ幾つかの事例分析を通じて明らかにした。日本の事業は、健康を重視したライフスタイルへの転換、都市を中心としたウォーカーの増加、地域活性化等の背景を受けて、訪問者による自然の美観や人間生活を含めたルーラリティの体感を目的に発展している。その上で、「道」としての機能区分に基づき、それらの交通アクセス、公共空間形成、景観形成としての機能を評価した。その結果、北海道のフットパス事業は、フットパスに対する社会認知やコース設定の自由度の高さを背景に、総じて高い評価となった。
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