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2013 年度 実施状況報告書

地理空間情報技術を活用したニホンジカの持続的管理システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24710051
研究機関東京農業大学短期大学部

研究代表者

下嶋 聖  東京農業大学短期大学部, その他部局等, 助教 (60439883)

キーワードGIS / リモートセンシング / ニホンジカ / 国立公園 / 管理計画 / 環境保全
研究概要

本研究は、自然公園における地理空間情報技術を活用した野生動物と植生復元の広域管理手法を構築することを目的としている。目的を達成するため、本研究では、以下の課題を設定しこれまで取り組んできた。
1.山岳保全管理の現状と課題:平成24年度では、アンケート票の作成を完成させた。しかし紙媒体でのアンケート調査実施は、回答者への負担から回収率も下がることを複数の行政関係者よりのアドバイス頂いた。そこで平成25年度では、デジタル化(メール及びweb(によるアンケート調査の実施方法の検討を試みているところである。
2.南アルプスにおけるニホンジカの食圧実態マップの作成:平成24年度では、これまで入手した高分解能衛星画像をもちいて、高茎草本群落(通称:お花畑)の抽出をし、従来にない詳細な植生マップの作成を行った。これを受け、平成25年度は、作成された高茎草本群落の分布マップを用いて、食圧を受けている箇所と受けていない箇所の分類を試みるためのグランドトゥルース(位置情報、及び食害現況)を取得するため現地調査を南アルプス北部地域北岳(7月)、南部地域聖岳(8月)、北部地域三伏峠及び塩見岳(10月)、の以上3箇所にて実施した。これらの得られた現地データを用いて、高分解衛星画像に対し画像解析を再度実施し、食圧実態マップの作成とその立地環境特性の把握を行った。
3.自動センサーカメラによるニホンジカの個体数把握方法の確立:平成25年度においては、実施方法について検討を行った。本研究対象地にて設置を検討した際、機器の管理等のためのメンテナンスなどのコストがかかるため、実施場所については代替地等を模索中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成26年度中に作成する予定のニホンジカ対策の意思決定計画マップについて、食圧を受けている箇所と受けていない箇所の違いを正確に把握するため、現地にて分光放射計を用いた地物(高茎草本群落)の反射特性を取得する必要があった。この分光放射計の手配、入手に時間がかかり、一部データを取得することができなかった。また自動センサーカメラによるニホンジカの個体数把握方法の確立については、設置箇所の課題が生じたため、現実的な実施方法の検討を行っている。防鹿柵の設置事例の概況調査については、おおむね計画通りデータを収集しており、総合的に「やや遅れている」と評価した。

今後の研究の推進方策

平成26年度研究実施計画に予定している、保護対策地の優先度合いを決定できる意思決定計画マップ作成に向けて、追加現地調査を実施し、解析及び作成に必要なデータを入手する。取得後は速やかに解析し、研究成果としてまとめていく。
研究を遂行する上での課題は、取り扱っているデータのマルチスケールの問題が発生している。立地環境解析を実施する際、使用している数値標高モデル(DEM)のスケール(10メートルメッシュ)と衛星画像解析から得られた食圧マップのスケール(0.5メートルないし1メートルメッシュ)とのスケールにギャップが生じている点である。総合考察においては、事象を取り扱う際のスケールの定義と整理を行い、まとめていくことを検討している。

次年度の研究費の使用計画

昨年度、実施する予定であった現地調査及び防鹿柵の設置事例の概況調査を悪天候のため実施を見送ったことにより、差額が生じた。
本年度は、反射スペクトルの取得のため現地の追加調査が発生するため、この追加調査の旅費に使用する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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