本研究は、自然公園における地理空間情報技術を活用した野生動物と植生復元の広域管理手法を構築することを目的としている。目的を達成するため、当該年度では以下の課題を設定し取り組んだ。 1.防鹿柵の工法や材料について体系化:平成26年度(3年目)で実施した山岳保全管理の現状と課題のアンケート調査の結果をふまえ、防鹿柵の工法や材料について体系化を図った。 2.地域社会における生態系保全と資源活用の両立をめざしたニホンジカの持続的管理システムの構築:平成24年度(1年目)及び平成25年度(2年目)より得られたニホンジカの食圧実態マップをベースに、積雪量などの自然環境要素と各種法令指定区域(国立公園、保安林等)や登山道及び山小屋からの距離分布など社会環境要素のGISデータを重ね、オーバーレイ解析を行い、採食地の立地環境特性を明らかにした。解析結果を与条件とし、ニホンジカの頭数コントロール方法の確立につなげるための持続的管理計画に資する図面作成を行った。
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