研究課題
がん抑制遺伝子のLKB1 は、細胞質で細胞増殖・細胞極性・エネルギー代謝に関与することが知られていた。私は、新たにLKB1 がDNA 二重鎖切断後に核内でクロマチン制御因子を制御するという新規機能を発見した。このクロマチンの制御は核内でのDNA 複製・転写・DNA 修復という細胞内の必須な生命維持の機構において重要な役割を果たすと考えられている。このため、このLKB1 のクロマチン制御における新規機能の解析は、細胞の生命維持の機構の解明につながると考えれる。また、LKB1 やクロマチンリモデリング因子は細胞がん化と深くかかわっているため、この基礎研究結果をがん化のメカニズムの解明や新たながん治療の開発に貢献すると考えられる。私は、LKB1がDNA 二重鎖切断後にATMキナーゼによりリン酸化されることを見出した。また、クロマチンリモデリング因子のSWI/SNF複合体と相互作用することを明らかにした。さらに、DNA 二重鎖切断後にLKB1がSWI/SNF複合体のクロマチンへの集積に必要であり、機能制御にかかわることを明らかにした。また、LKB1は、その下流のAMPK2キナーゼのクロマチンへの集積も促進し、さらにAMPK2ももSWI/SNF複合体のクロマチンリモデリングの機能の制御にかかわることを明らかにしたこの結果は、論文として国際誌に発表した(Ui et al. 2014. Oncogene)。
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Oncogene
巻: 33 ページ: 1640-1648
10.1016/j.molcel.2014.01.030.
Mol Cell
巻: 53 ページ: 617-630
Carcinogenesis
巻: 34 ページ: 2486-2497
10.1093/carcin/bgt240. Epub 2013 Jul 3.