がん抑制遺伝子ＬＫＢ１のクロマチン制御における機能解析と、放射線・抗がん剤感受性

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 24710057
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 放射線・化学物質影響科学
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 宇井 彩子 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (00469967)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2014-03-31
• キーワード: LKB1 / クロマチンリモデリング / DSB修復 / AMPK2 / SWI/SNF

研究概要

がん抑制遺伝子のLKB1 は、細胞質で細胞増殖・細胞極性・エネルギー代謝に関与することが知られていた。私は、新たにLKB1 がDNA 二重鎖切断後に核内でクロマチン制御因子を制御するという新規機能を発見した。LKB1はクロマチンリモデリング因子のSWI/SNF複合体と相互作用し、そのクロマチンへの集積に必要であり、機能制御にかかわることを明らかにした。また、LKB1だけでなく、その下流のAMPK2キナーゼもこのクロマチンリモデリングの機能の制御にかかわることを明らかにした。この結果は、論文として国際誌に発表した（Ui et al. 2014. Oncogene)。

研究成果

• [雑誌論文] Possible involvement of LKB1-AMPK signaling in non-homologous end joining (2014)
  • 著者名/発表者名: Ui A, Ogiwara H, Nakajima S, Kanno S, Watanabe R, Harata M, Okayama H, Harris CC, Yokota J, Yasui A, Kohno
  • 雑誌名: T Oncogene 巻: 33(13)(Epub) ページ: 1640-8
  • DOI: 10.1038/onc.2013.125
  • 査読あり
• [雑誌論文] Fine-tuning of DNA damage-dependent ubiquitination by OTUB2 supports the DNA repair pathway choice (2014)
  • 著者名/発表者名: Kato K, Nakajima K, Ui A, Muto-Terao Y, Ogiwara H, Nakada S.
  • 雑誌名: Mol Cell 巻: 53(4) ページ: 617-30
  • DOI: 10.1016/j.molcel.2014.01.030
  • 査読あり
• [雑誌論文] Curcumin suppresses multiple DNA damage response pathways and has potency as a sensitizer to PARP inhibitor (2013)
  • 著者名/発表者名: Ogiwara H, Ui A, Shiotani B, Zou L, Yasui A, Kohno T.
  • 雑誌名: Carcinogenesis 巻: 34(11)(Epub) ページ: 2486-97
  • DOI: 10.1093/carcin/bgt240
  • 査読あり
• [学会発表] MLL融合遺伝子ENLは転写抑制とDSB修復の制御に関与する (2013)
  • 著者名/発表者名: 宇井彩子
  • 学会等名: 染色体ワークショップ
  • 発表場所: 箱根
  • 年月日: 20131125-27
• [学会発表] MLL融合遺伝子ENLは転写抑制とDSB修復の制御に関与する (2013)
  • 著者名/発表者名: 宇井彩子
  • 学会等名: 3R
  • 発表場所: 仙台秋保
  • 年月日: 20131120-22
• [学会発表] DNA二重鎖切断修復と転写におけるMLL融合遺伝子、ENLの機能 (2013)
  • 著者名/発表者名: 宇井彩子
  • 学会等名: 遺伝研研究会
  • 発表場所: 三島
  • 年月日: 20130927-28
• [学会発表] DNA修復とクロマチンリモデリング (2013)
  • 著者名/発表者名: 宇井彩子
  • 学会等名: 第二回DNA損傷応答ワークショップ
  • 発表場所: 浜松
  • 年月日: 20130404-05