小児期の放射線被ばくは甲状腺発がんの危険因子である。甲状腺濾胞上皮の放射線感受性の年齢影響を調べるため、X線8 Gy全身照射後72時間までの未熟(4週齡)及び成熟(8ヶ月齡)ラットの甲状腺濾胞上皮の組織変化、細胞死、増殖細胞、DNA損傷応答分子、オートファジーの誘導を比較した。両群共アポトーシスは誘導されず、Ser15リン酸化p53発現と53BP1核内フォーカス数は増加した。未熟ラットでは空胞化細胞の増加、増殖細胞数の低下、オートファジー像及びLC3-IIとp62の発現増加、オートファジー関連遺伝子の発現増加が認められたが、成熟ラットでは誘導されなかった。
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