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2013 年度 実施状況報告書

難燃剤化学物質の周産期曝露による発達神経毒性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 24710068
研究機関群馬大学

研究代表者

はい島 旭  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70555672)

キーワード発達神経毒性 / 周産期曝露 / PFOS
研究概要

本研究では,パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)などの難燃剤化学物質の周産期曝露による発達神経毒性を検証することを目的としている.本年度は,前年度の研究から得られた知見,つまりPFOSの周産期曝露による協調運動機能と学習機能の異常に焦点を絞り,これらの機能に重要な役割を果たしていることが知られている小脳や海馬を中心に解析を行なった.得られた成果は以下の通りである.
(1)小脳初代培養系を用いて,PFOS曝露による小脳プルキンエ細胞への毒性影響を検討した.その結果,PFOS曝露によりプルキンエ細胞の伸展が抑制された.また脱ヨード酵素のmRNA発現が有意に抑制していることが明らかとなった.
(2)PFOSの周産期曝露が仔の記憶機能に及ぼす影響について検討するため,自発的物体再認テストおよび物体位置再認テストを行なった.その結果,PFOS曝露群において新奇な物体や位置への探索時間が対照群と比べ有意に短かった.
(3)PFOSの周産期曝露による海馬への影響を検討するため,in vivoマイクロダイアリシスにより,baseline時とグリア型グルタミン酸トランスポーター選択的阻害剤PMB-TBOA投与時の背側海馬内のアミノ酸量を測定した.その結果,baseline時のアミノ酸量には群間で有意な差はなかったが,PMB-TBOA投与時ではPFOS曝露群においてグルタミン酸量が有意に多かった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

PFOSの神経毒性メカニズムの解析には更なる検討の余地があるが,PFOSの周産期曝露による毒性影響に関して,行動と脳の両面から一貫した知見を得られており,おおむね順調に進展していると考える.

今後の研究の推進方策

PFOSの曝露時期を変えて,生後どのくらいの時期の曝露がより影響を及ぼすのかについて検討する.また,PBDEの周産期曝露の影響を検証し,PFOS曝露の結果と比較する予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Altered cerebellum development and dopamine distribution in a rat genetic model with congenital hypothyroidism.2014

    • 著者名/発表者名
      Shimokawa N., Yousefi B., Morioka S., Yamaguchi S., Ohsawa A., Hayashi H., Azuma A., Mizuno H., Kasagi M., Masuda H., Jingu H., Furudate SI., Haijima A., Takatsuru Y., Iwasaki T., Umezu M., Koibuchi N.
    • 雑誌名

      Journal of Neuroendocrinology

      巻: 26 ページ: 164-175

    • DOI

      10.1111/jne.12135

    • 査読あり
  • [学会発表] 周産期の水酸化PCB曝露が成熟後仔マウスの自発運動量へ及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      蓜島旭,下川哲昭,高鶴裕介,天野出月,レスマナロニー,鯉淵典之
    • 学会等名
      環境ホルモン学会第16回研究発表会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20131212-20131213
  • [学会発表] 新たな機序によるPerfluorooctane sulfonate (PFOS)の脳発達への影響2013

    • 著者名/発表者名
      岩崎俊晴,蓜島旭,宮坂勇平,Yu Lu,高鶴裕介,下川哲昭,鯉淵典之
    • 学会等名
      環境ホルモン学会第16回研究発表会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20131212-20131213
  • [学会発表] ラットの物体再認記憶における後部帯状皮質および海馬損傷による前行性および逆行性健忘の検討2013

    • 著者名/発表者名
      蓜島旭,一谷幸男
    • 学会等名
      第73回日本動物心理学会大会
    • 発表場所
      茨城
    • 年月日
      20130914-20130916
  • [学会発表] 基礎学力の向上を目指す教養教育科目「学びのリテラシー」の実践2013

    • 著者名/発表者名
      蓜島旭,岸美紀子,坂本浩之助,鯉淵典之,村上正巳,和泉孝志
    • 学会等名
      第45回日本医学教育学会大会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      20130726-20130727
  • [学会発表] 胎仔期・授乳期の低用量水酸化PCB曝露が成熟後仔マウスへ及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      蓜島旭,下川哲昭,高鶴裕介,天野出月,レスマナロニー,鯉淵典之
    • 学会等名
      第40回日本毒性学会大会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      20130617-20130619

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公開日: 2015-05-28  

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