本研究は,パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)やデカブロモジフェニルエーテル(DBDE)などの難燃剤化学物質の周産期曝露による仔の脳機能発達へ及ぼす影響をマウスを用いて明らかにすることを目的とした.本研究から,PFOSの曝露により,学習・記憶試験や協調運動機能試験の成績が低下することが明らかとなった.また,神経化学的・組織学的解析により小脳や海馬発達がPFOS曝露の影響を受けることにより上記機能の低下を引き起こす可能性が示唆された.DBDE曝露による影響は,本研究で用いた用量や曝露時期では,顕著な影響は観察されなかった.
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