代表者はこれまでに、代表的な臭素系難燃剤の一つであるデカブロモジフェニルエーテル(DecaBDE)への曝露が、マウスにおいて精子数を減少させることを明らかにしてきた。本研究ではDecaBDE曝露が引き起こす精子数減少の分子メカニズムの解析を行った。本研究課題によって、新生児期マウスへのDecaBDE曝露は、1) 血中テストステロン濃度の減少、2) 精巣におけるアンドロゲン受容体や甲状腺ホルモン受容体の減少を引き起こし、さらに3) 甲状腺ホルモンのスプライシング産物の比率に影響をおよぼすことが明らかとなった。これらの結果は、DecaBDEが精子数減少を引き起こす分子機構の一端を明らかとした。
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