本研究では、浄化槽放流水の遺伝子毒性を試験するための前処理方法を決定し、モデル地域の家庭排水の遺伝子毒性を調べた。その結果、各地域の遺伝子毒性の強さは、合併浄化槽>単独浄化槽≒コミュニティプラント≫汲み取り槽の順となった。試験した放流水の遺伝子毒性強度は、処理方式等によって10倍以上も異なること、および一般的な日本の水道水の値よりも数十倍~百倍程度高いことを初めて明らかにした。さらに、各種の薬剤を用いて遺伝子毒性の削減を試みたが、削減効果は予想に反するものであった。塩素との反応では、アンモニア性窒素が遊離塩素との反応で消失した後、更に遊離塩素を添加すると遺伝子毒性が急に増加すること等を示した。
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