東日本大震災によるアマモ類場・干潟生態系の撹乱とその後の回復過程,ならびに後背地に集積した津波堆積物の性状と環境修復材としての利用性の検討を目的として,研究を行った。 アマモ類藻場に関しては,震災により大幅に減少したが,その後,アマモに比べてタチアマモにおいて若干の密度回復が認められた。干潟に関しては,震災に伴う底質の泥化と汚濁化が観測され,生物相は未だ遷移過程にあると判断された。津波堆積物中の金属含有量に関しては,土壌汚染対策法の基準を下回っており,その有害性は低いと推定された。津波堆積物を加えた底質を用いてアサリ浮遊幼生着底実験を行ったところ、アサリ幼生の着底率の上昇を確認した。
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