J-PARCの大強度ミュオンビームを用いた物性測定(パルスミュエスアール)における信号対雑音比の飛躍的向上を目指し、D1実験エリアにフライパス法を導入した。フライパス法において鍵となる真空容器の形状とミュオンビームの軌道を最適化するために、3次元的にミュオンビームを可視化する装置を製作し、ビーム軌道の観測に基づいてこれらに関するパラメータを決定した。最適化された条件下における信号対雑音比を計算機シミュレーションにより評価したところ、断面積φ4mmの試料に対しておよそ3という数値を得た。本手法によりこれと同程度の断面積をもつ微量試料のパルスミュエスアール測定が可能になると期待される。
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