本研究では、リン脂質二重膜小胞(リポソーム)を化学・生化学反応溶液の操作単位として、その融合と分裂によってフェムトリットルの溶液操作を実現することを目的とした。マイクロ流路と光ピンセットを併用し、顕微鏡下で特定のリポソームペアを電気融合させ、溶液混合を行った。また、融合したリポソームが排除堆積効果により分裂様の変形を起こし、内部の微量溶液が分割され、かつ温度を変化させると分割後のリポソームが完全に分離することを確認した。以上の実験結果により、効率に課題が残るものの、当初の計画通りにフェムトリットル(直径10マイクロメートル以下)の溶液操作技術基盤を確立することに成功した。
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