カーボンナノチューブが金属ナノ粒子触媒から成長する過程を環境制御型透過電子顕微鏡により原子分解能で直接観察することで、その成長機構に関する新しい知見を得た。カーボンナノチューブと金属ナノ粒子触媒との界面構造が変化することで、成長中のカーボンナノチューブに曲がりやグラファイト層間隔の乱れといった欠陥が導入される。また、金属ナノ粒子触媒が大きく形状を変化させると、成長中のカーボンナノチューブの直径や層数が変化する。さらに、カーボンナノチューブ成長中に時間変化する触媒の構造を、観察像とシミュレーション像とを比較することで正確に決定することに成功した。
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