研究課題/領域番号 |
24710123
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
桑原 穣 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (60347002)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 光応答性材料 |
研究概要 |
平成24年度は、主に「液晶親和性のある修飾用アゾベンゼン化合物(LCAAz)の合成とマイクロサイズ板状粒子への修飾」、「サーモトロピック液晶系におけるLCAAz修飾板状粒子の光応答運動評価と光相変化挙動」について検討した。 おおむね計画通りにした。数種のLCAAzの分子設計・合成を行い、マイクロサイズ粒子への修飾に成功した。「サーモトロピック液晶系におけるLCAAz修飾板状粒子の光応答運動評価と光相変化挙動」を検討した結果、サーモトロピック液晶中において、LCAAz修飾粒子の光応答運動を確認した。リヨトロピック液晶系において、LCAAz修飾板状粒子の光応答運動性を評価するための条件検討を行った。リヨトロピック液晶系においても、光照射部の液晶秩序の変化が観察された。 「リヨトロピック液晶系におけるLCAAz修飾マイクロ粒子の光応答挙動と微小化」を早期に実施した。このため、既設の原子間力顕微鏡(AFM)を既設の倒立型光学顕微鏡に組み込むためのアタッチメントを前倒しで購入した。 国内学会における成果発表を1件行ない、1件発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究は、計画項目(1)~(3)において、おおむね計画通り進展した。 (1)「修飾用アゾベンゼン化合物(LCAAz)の合成とマイクロサイズ板状粒子への修飾」において、LCAAzを数種の分子設計を行い、合成した。マイクロサイズの球状および板状粒子へのLCAAzの修飾に成功した。 (2)「サーモトロピック液晶系におけるLCAAz修飾板状粒子の光応答運動評価と光相変化挙動」において、サーモトロピック液晶中でのLCAAz修飾粒子の光応答運動を確認した。また、光照射部の粒子周りの相変化挙動を観測した。粒子の運動挙動、運動の光応答性、液晶相変化の粒子濃度依存性などを評価した。運動挙動の光強度依存性について評価した。 (3)「リヨトロピック液晶系におけるLCAAz修飾マイクロ粒子の光応答挙動と微小化」を早期に開始した。リヨトロピック液晶系において、LCAAz修飾板状粒子の光応答運動性を評価するための条件検討を行った。一般的な界面活性剤分子を用いたリヨトロピック液晶系においても、光照射部の液晶秩序の変化が観察された。
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今後の研究の推進方策 |
(3)「リヨトロピック液晶系におけるLCAAz修飾マイクロ粒子の光応答挙動と微小化」:前年度に引き続いて、光マニピュレーションに適切なリヨトロピック液晶系を探索する。探索終了後、粒子サイズを数百nm~数μmにしたLCAAz修飾微粒子を合成して、光応答挙動を評価する。光学顕微鏡では追跡困難である場合は、原子間力顕微鏡(AFM)を利用して、微小粒子の運動挙動を評価する。 (4)「単層二分子膜系におけるLCAAz修飾微粒子の光応答性運動挙動」:人工脂質分子または脂質分子を用いて単層二分子膜を形成し、膜上のLCAAz修飾微粒子の光応答性運動を評価する。まず、評価系の探索を行う。例えば、二分子膜上のLCAAz修飾微粒子をAFMで観察しながら、光学顕微鏡にレーザー光を外部より導入して微小部に照射する。数μm~数十μm(細胞サイズ)の領域で微小粒子が光に応答してどのように運動するかを評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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