単一分子デバイスの実現へ向けて、単一分子の両側を電極で挟んで形成した単一分子接合の伝導機構の研究が必要不可欠である。単一分子接合のコンダクタンスは分子形状によって大きく変化するが、分子形状を精密操作することにより分子の伝導特性を制御できれば、伝導機構の解明に貢献できるだけでなく、分子形状効果を利用したスイッチなどの応用も期待できる。 本研究では、走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて探針-試料間に形成した単一分子の形状を3次元的にサブオングストロームの精度で制御し伝導特性を調べる方法を開発した。この方法を用いて分子のシス-トランス異性化を制御し、単一分子のスイッチングを観測することに成功した。
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