本研究の目的は「生体機能を模倣した単電子情報処理システムを構築すること」である。 これの達成のために,以下について検討をした。第一に,生体が持つ「雑音・揺らぎを吸収・利用する機能」の単電子デバイスへの実装,第二に,生体機能の中の「機能的情報処理能力」の単電子デバイス化,第三に,第一の内容と第二の内容との融合(最終目標)である。 研究成果として,細胞性粘菌の挙動/蟻の挙動/軍隊蟹の挙動/ニューラルネット模倣といった各単電子回路の実現可能性が高いことを見出したほか、雑音・揺らぎを利用することにより、信号伝搬速度の向上能力の発現/信号振幅の増幅能力の発現等の新現象を見出した。
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