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2012 年度 実施状況報告書

粒子群最適化に基づく大域的多目的非線形計画とファジィ・ランダム環境への拡張

研究課題

研究課題/領域番号 24710167
研究機関広島大学

研究代表者

松井 猛  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50512505)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード粒子群最適化 / 非線形計画法 / 多目的計画法
研究概要

本研究課題では,制約のない多峰性の非線形最適化問題に対する近似解法として注目されている粒子群最適化(PSO)に対して,上下限制約のみならず一般の等式制約と不等式制約をも考慮した探索と大域的最適性を目指した改良を施すとともに,相競合する複数個の目的を同時に考慮するという多目的非線形計画問題への一般化を試みた.
具体的には,Kennedyらによって提案され,高速で高精度な近似手法として有望視されてきている粒子群最適化手法に対して,初期個体群の生成において準同型写像を用いることにより実行可能な個体だけを生成するとともに,移動後の個体の制約の取り扱いについて考察することにより,決定変数に対する上下限制約以外にも一般の等式制約と不等式制約条件をもつ非線形計画問題に対して適用可能となるような改良を加えた.特に,粒子群最適化手法における制約を考慮した探索のために,探索点が実行不可能な個体を2分法により実行可能となるように修正する方法を採用した.ただし,2分法の実行には時間がかかるため,2分法による個体修正を行う部分個体群と実行不可能領域への移動を許可する部分個体群という2つの部分個体群を用いる粒子群最適化手法を提案した.また,個体の移動方法と評価関数を変更するとともに離脱行動を採用することにより局所的最適解への停留を抑制することを試みた.さらに,提案した手法が高速で高精度な近似最適化手法であることを検証するために,問題の規模と非線形性の度合いが異なるさまざまな種類の非線形計画問題への適用を実施した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究成果の有効性および実用性についての実証検証を行い,得られた研究成果は学術雑誌に掲載されたため.

今後の研究の推進方策

ファジィ情報を考慮した多目的非線形最適化の観点から,さまざまなファジィ多目的非線形計画問題の定式化を進める.さらに,モデリング過程でのパラメータに含まれるファジィ性のみならず,意思決定者の判断の曖昧性をも同時に考慮した,人間中心の新しい対話型ファジィ意思決定手法の開発を試みる.ここで,ファジィ性を考慮して拡張されたパレート最適解を求めるための拡張ミニマックス問題の最適性と拡張パレート最適性に関する探索を同時に行うという効率的な粒子群最適化手法の提案により,高速でしかも高精度な近似手法の構築を目指す.

次年度の研究費の使用計画

購入を計画している設備は,粒子群最適化に基づく大域的多目的非線形計画とファジィ・ランダム環境への拡張のための先進的なシステム最適化手法の開発とさまざまな意思決定問題への応用を遂行するためのものであり,本研究の中核をなすものである.平成25年度以降の本研究計画は,この設備を中心とするシステムを構成するとともに,必要となれば現有のパソコンシステム等との接続をも考慮して遂行する予定であり,本研究において,必要不可欠なものである.さらに,デスクトップ型パソコンのみならず,デモ用にも利用できるようにノート型パソコン上での開発も試みる.また,国内旅費は、システム最適化手法・ファジィ計画法・確率計画法の研究を遂行している大阪大学・名古屋市立大学・東京工業大学の研究者との研究打合せや調査・研究のための旅費に加えて,本研究課題に密接に関連する日本知能ファジィ学会,日本オペレーションズ・リサーチ学会,電子情報通信学会などの学会が開催する国内で学会での資料収集や研究成果発表のための旅費が計上されている.さらに,多目的意思決定国際会議,国際ファジィシステム学会やIEEEが開催する本研究課題に密接に関連する国際会議に出席して,資料収集を行うとともに,研究成果を発表するために必要な外国旅費を計上している.その他,外国の学術雑誌に投稿するための外国論文の校閲のために必要な経費として計上している.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Random fuzzy bilevel linear programming through possibility-based fractile model2013

    • 著者名/発表者名
      Masatoshi Sakawa, Takeshi Matsui
    • 雑誌名

      International Journal of Machine Learning and Cybernetics

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1007/s13042-012-0145-1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stackelberg solutions for random fuzzy two-level linear programming through possibility-based probability mode2012

    • 著者名/発表者名
      Masatoshi Sakawa, Takeshi Matsui
    • 雑誌名

      Expert Systems with Applications

      巻: 39 ページ: 10898-10903

    • DOI

      10.1016/j.eswa.2012.03.001

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Interactive fuzzy programming for random fuzzy two-level programming problems through possibilitybased fractile model2012

    • 著者名/発表者名
      Masatoshi Sakawa, Takeshi Matsui
    • 雑誌名

      Expert Systems with Applications

      巻: 39 ページ: 12599-12604

    • DOI

      10.1016/j.eswa.2012.05.024

    • 査読あり
  • [学会発表] Particle swarm optimization combining diversification and intensification through complex networks for nonlinear programming problems2012

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Matsui, Masatoshi Sakawa
    • 学会等名
      SCIS & ISIS 2012
    • 発表場所
      Kobe, Japan
    • 年月日
      20121123-20121123

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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