研究課題/領域番号 |
24710180
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 翔輔 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (00614372)
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キーワード | 災害対応 / テキストマイニング / マスメディア / ソーシャルメディア / ビッグデータ |
研究概要 |
今年度は,昨年度に引き続き, 1)膨大なインターネット上のウェブ上のテキスト情報(ウェブニュース,twitter)の収集と2)収集したテキストデータの内容分析を行った.1)においては,東日本大震災に関するウェブ情報を継続して収集するほか,今年度発生した台風26号,台風ハイエン(フィリピン)に関するウェブ情報について新規に収集を開始した.加えて,近年利用者が急増しているfacebookから投稿情報を抽出するクローラーの開発も行った.2)においては,昨年度に検討を行った5W1Hの枠組みでテキストを解析するアルゴリズム(係り受け解析,述語項構造解析)の改良要件にもとづいて,それを自動的に処理するシステムを開発した.今年度は,台風26号で発信されたウェブニュースに対して,同システムを実装し,主語と述語について約6割程度の適切な情報を自動的に解析できるようになった.これらに関連する成果を,1件の寄稿,2件の口頭発表を行った.さらに今年度は,3)東日本大震災の被災者78人を対象にしたパーソナルインタビュー調査を行い,同調査で聞き取った被災経験から,災害時の困難とその対応・対処の事例に関する内容分析(コーティングと統計解析)を行い,被災者側に発生する諸問題の把握を行った.その結果,発災直後の緊急対応,応急対応,個人の復興のフェーズごとに異なる諸問題が発生していたほか,フェーズに関わらない問題が発生していたことが明らかになった.同成果について査読論文を投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度検討を行ったテキスト処理のアルゴリズムを実装し,約6割の精度で自動的に主語,述語等を抽出できるようになったため.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,テキスト処理のアルゴリズムの改良を行い,解析精度の向上を目指すほか,ユーザーになりえる自治体職員等と頻繁な意見交換を行うことで,研究開発を意義高いものにしたい.
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次年度の研究費の使用計画 |
購入データが前年度見積りよりも低価格となったため. 追加データの購入に当てる予定.
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