LSI開発におけるグローバリゼーションに伴い懸念されているのが,ハードウェアトロイと呼ばれる回路である.この回路は開発者の意図しない機能を持つものであり,悪意ある第三者によって仕込まれる.そして発症条件が揃うと,隠された機能が活性化し,様々な被害を及ぼす.本研究では,ハードウェアトロイ検証のために開発した実験用ボードを用いて,トリプルDESやAES暗号化回路に仕込んだハードウェアトロイについてその脅威を調べた.実験では,検証用ボードを用いたARMコアベースのSoCにおいて,暗号処理の無効化,及び秘密鍵の流出という被害を確認することができた.また,対策回路についても,基礎技術を確立した.
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