東日本大震災で明らかとなった防災上の課題の一つは、「想定外」の存在であった。知識・技術を伝達することのみが防災教育であるという矮小化された理解がなされているならば、防災教育を通じて想定外の問題を解決するのは困難である。想定外は、専門家が依拠する科学の不確実性に起因するものがほとんであるためである。そこで本研究では、専門家も非専門家がともに学びあう「防災共育」の実現を目指し、理論的検討と教育実践を行った。専門家が非専門家の活動を理解しようとすることが、防災共育の実現の条件であることが明らかとなった。
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