災害の危険を知らせる防災情報は、音声で伝達されることが一般的であり、聴覚障害者には届かない。さらに、高齢の聴覚障害者は手話を第一言語とし、難解な文章による防災情の理解は困難な者も少なくない。そこでそこで、1.聴覚障害者にわかりやすく、2.適切に防災行動を促し、3.行政機関が現実的に作成・発信可能な、文章とイラストによるFAX等の仕様を明らかにすることを目的とした。 対象とする災害および情報項目は、河川浸水、土砂災害、津波の警戒情報および、発災後の生活支援情報として、地方の沿岸域と都市域を対象地域とした。研究開発にあたっては、複数の文章およびイラストを作成し、当事者からの意見聴取を複数回実施し、聴覚障害者に必要な項目、わかりやすい表現などを明らかにした。また、これらテンプレートを、災害危険時および、平常時の防災訓練などで利用する際の留意事項などについても整理し、利用の手引きとしてとりまとめを行った。
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