カルデラ火山周辺で起こるラハール(火山泥流)は,甚大な災害を及ぼす可能性が非常に高い現象である。本研究では,このカルデラ火山周辺に分布するラハール堆積物を,堆積学・地形学・古洪水水理学の視点および物理探査的手法(地中レーダ探査:Ground Penetrating Radar (GPR))により解析を行った。さまざまなラハール堆積物のGPR断面を検討した結果,1)これまで物質的に不利と考えられてきた火山砕屑物でもGPR断面を得ることができた,2)流量の大きな決壊洪水型ラハール堆積物と,降雨に由来するラハール堆積物はGPR断面でそれぞれ特徴を持ち,区別できること,が明らかとなった。
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