扇状地に存在する家屋・塀・道路などの構造物が、土石流の氾濫・堆積に及ぼす影響を災害事例・実験・数値シミュレーションで検討した。家屋が存在すると家屋の直上で顕著な堆積が生じることや、家屋の周りや道路沿いに流れて到達範囲が変わること、土石流発生渓流と扇状地の家屋や道路の配置で影響範囲が変わることが示された。個々の家屋だけでなく扇状地の集落全体の防災対策を検討できるシステムを提案して、構造物を考慮する手法は従来の考慮しない手法と比較して、合理的な被害状況の推定や現実的な避難の検討(垂直避難や近隣での安全な家屋への一時避難)に有効であることを示した。
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