戦後以降のわが国の代表的な堤防自主決壊事例について現地調査を行い、その実態や特性について把握した。また、平成23年の相野谷川水害における高岡地区の輪中堤の決壊による輪中内の氾濫水の河道還元、平成25年の矢代川中流右岸の霞堤による氾濫水の河道還元について、自主決壊と同様の効果を見出し、これらの水害についても現地調査を行った。特に、相野谷川水害については流域全体の広範な地形測量を実施し、既往最大水位を観測したとされる明治22年水害時からの河川整備の効果を把握するとともに、堤防自主決壊の実際の河川管理への応用のヒントを得た。本研究で得られた成果をもとに氾濫水の早期排水支援システムの構築を行っている。
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