研究課題
まず、昨年度に続き、ゲノム上の非コード領域に保存されたuORFペプチド配列同定法ESUCAの改良をおこなった。本手法は、データベース上の配列ビッグデータを横断解析し、利活用する手法である。同定された配列には、明かな擬陽性の配列が、居着くか含まれていたため、様々なパラメータの検討を実施した。その結果、配列ビッグデータには、多くのコンタミ配列が含まれ、それが、同定された偽陽性の配列となっていることが判明した。そのため、データクレンジング技術を新たに開発した。これによって、動物界・植物界から、ゲノム上の非コード領域に保存されたペプチド配列を精度良く同定できるようになった。また、一方で、植物界で、保存された非コード領域上ペプチド配列を、実験的に破壊し、機能を有することを証明した。今回の解析から、eIF遺伝子の上流に動物界・植物界に共通して、保存されたuORFペプチドが存在することを同定し、これらは、動物界・植物界で全く違うものであることが判明した。つまり、eIF遺伝子の上流のペプチド配列は、動物界・植物界で、別々に平行進化してきたものであると考えられる。これまでに、eIFと相互作用する4E-BP1について、4E-BP1の一部のペプチド配列だけで、翻訳阻害、さらには、上皮系細胞由来のがん細胞で、損抑制効果があることが、報告されている。本研究では、4E-BPの一部のペプチド配列を、非上皮系がん細胞MUSSに、おいても機能するか、確認実験を行った。それ結果、上皮系細胞と同様、非上皮系がん細胞でも、増殖抑制効果があることが判明した。
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