研究課題
本研究課題は、家族性IgA腎症を対象とし、エクソームシーケンスによる疾患原因変異の同定、疾患発症機序の解明、ならびにこれら一連の原因遺伝子同定から情報解析技術を駆使したプロトコールを確立することを目指している。これまでに家族性IgA腎症罹患者4名を含む1家系のエクソームシーケンスによってIgAのトランスサイトーシスに関わり、腎臓で発現するEEA1に原因候補となる変異を同定した。この変異(rs144833802)はIgA腎症孤発例228名のうち高血中IgA患者1名に認められた。よって同定した変異は極めてRareな変異であり、ごく一部のIgA腎症のみを説明することが示唆された一方で、血中のIgA濃度と関連する変異によりIgA腎症発症に至る可能性も考えられた。これら一連のエクソームシーケンスの解析から、家系と孤発例を組み合わせた原因候補遺伝子同定のプロトコールを確立した。本解析手法は別の遺伝子のありふれた疾患の原因遺伝子の検索にも応用可能であり、さらなる成果が期待できるものである。
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