研究課題/領域番号 |
24710230
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
FAURE Adrien 山口大学, 理工学研究科, 助教 (00610627)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 論理的モデル化手法 / 細胞周期 / 概日リズム / シミュレーション |
研究概要 |
本科研費による研究の初年度では、時計遺伝子制御を量的に表現したペトリネットモデルを論理的手法による質的モデルに変換した。この成果は、電子情報通信学会の回路とシステムワークショップで発表した。細胞周期の質的論理モデルは作成済みのものがあるので、これで研究に必要な2つの周期的モデルが揃ったことになる。以後はこれらを接続し、その相互作用のシミュレーションを実施していくことになる。 さらに、細胞間の相互作用のモデル化手法を確立するため、Delta-Notchシグナル伝達経路の論理モデル作成とシミュレーションを実行し、複数の周期モデルの相互作用の関係もこの論理的モデル化手法によって実現可能であることを確認した。この正解は、電子情報通信学会のシステム数理と応用研究会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目標の一つであった時計遺伝子制御の論理モデル作成は実施できた。一方、現在所有している細胞周期モデルは、要素数が数十と多く、本研究の最終目標である、これら2つの周期モデルのカップリングを調べるには大きすぎるため、モデルの本質を残したまま要素数を減らして縮小する必要があり、この作業は来年度以降に残された。しかし、初年度の目標の時計遺伝子制御の論理モデル作成を実施し、学会発表も行なったので、おおむね順調に進展しているとの自己評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
既存の細胞周期の論理モデルについて、その要素数を減らしたモデルの作成を行なう。また、ペトリネットによる量的モデルの作成も研究目標となっているので、その手法を学習するため、イタリアのミラノで6月に開催されるPetri Nets 2013に参加する。平成25年度 では、細胞周期と概日リズムのカップリング論理モデルの構築と、初期的なペトリネット モデル作成までを行ないたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度に16万円弱の残額があるが、これは昨年度欧州で開催された2つの国際会議に当初は別々に日本から旅行する予定であったが、この2つの開催時期の違いが1週間であったため、日本から欧州への旅行が1回で済んだためである。 この残額を含め、次年度の予算は、主に国際会議等に参加するための旅費と参加費に用いる。現在予定中の国際会議は、6月にミラノで開催されるPetri Nets 2013、7月にToulouse(フランス)で開催されるJOBIM、及び8月にコペンハーゲンで開催されるInternational Conference on Systems Biology 2013である。
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