研究概要 |
本研究は部位特異的にビオチン標識したタンパク質を生細胞内で生産するシステムを構築し、ビオチン標識したタンパク質と相互作用する生体内のRNA分子を解析するための分子基盤研究を行うことを目的としている。 平成25年度は前年度に構築したOuter Membrane Protein C(ompC)を利用したin vivoセレクションシステムとピロリジル-tRNA合成酵素(PylRS)に飽和変異を導入したPylRSプラスミドライブラリ(PylRS-Lib1)を用いてビオシチル-tRNA合成酵素(BioLysRS)取得のためのin vivoセレクションを行った。セレクションに用いる培地、培養条件の変更を取り入れながら様々なセレクション条件を試みたが、このPylRS-Lib1からBioLysRSを取得することはできなかった。このことからPylRS-Lib1はBioLysRSの創成には適さないと判断した。 そこで、PylRSの結晶構造とビオシチンのドッキングモデルに基づいたPylRSプラスミドライブラリ(PylRS-Lib2)をデザイン・構築し、新たなセレクションを開始した。まずは抗生物質耐性(CAT)遺伝子と毒性barnase遺伝子を用いた従来型のセレクションを試みた。従来型のセレクションを5サイクル行った後、192個のコロニーを個別に選別したが、BioLysRSは得られなかった。 更に同時にドッキングモデルに基づく合理的デザインによるPylRS変異体(PylRS-GGGG: Y306G, L309G, M350G, I413G)の大腸菌発現ベクターの構築も行いin vitroでのビオシチル化反応を検討する準備も行った。
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