液胞は植物細胞特有の細胞内小器官であり、植物細胞体積の約8割を占め、さまざまな物質を蓄積していることが知られている。本研究では、薬用植物として著名なニチニチソウの液胞に蓄積するアルカロイドの生合成に着目した。既存研究から、アルカロイドは、植物の様々な組織や細胞小器官を経て合成されることが示されていた。研究代表者らは、実際に蓄積するアルカロイドやその中間体の分布を、新技術を用いて解析した結果、これまでの報告とは異なるアルカロイドの分布を確認することができ、ニチニチソウ液胞における新規の代謝機能の存在が示唆された。今後、効率のよいアルカロイド生合成システムの開発につなげたい。
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