研究課題
前年度に確立したフィブリラリンの発現・精製法を用いて、NMR解析のためのM9最小培地での試料調製法を検討し、NMR解析が可能な量のフィブリラリンを得るためのM9最小培地の組成、IPTG誘導のタイミング、誘導後の培養温度を決定することができた。この条件で15N安定同位体標識されたフィブリラリンの調製を行い、M9最小培地1Lあたり約8 mgと高収量でフィブリラリン試料を得ることに成功した。また、CD測定による二次構造解析の結果は、このフィブリラリンが結晶構造と同じ二次構造を保持していることがわかり、正しくフォールドしたフィブリラリン試料を調製できたことを確認できた。15N安定同位体標識化フィブリラリンの15N-HSQCを測定し、スペクトルのピーク同士の分離の程度をモニターしながら、解析可能なスペクトルを得るための試料および測定条件を検討した。測定温度やpHや塩濃度などのNMR試料条件を検討したが、解析可能なスペクトルを得ることができなかった。現在、さらなる条件検討を行っている。また、分子量によるスペクトルの線幅の広がりを抑えるために15N, 2H安定同位体標識フィブリラリンの試料調製の検討を行っている。本研究で正しくフォールドしたフィブリラリンの調製に成功したことは今後の解析を進める上で重要であり、NMRで解析可能な試料条件を決定することでヤママリン-フィブリラリン複合体形成のより詳細な機構を明らかにすることができると考えている。
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