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2012 年度 実施状況報告書

βーグルカン構造に基づく新規ワクチンアジュバントの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24710242
研究種目

若手研究(B)

研究機関北海道大学

研究代表者

ファイナ ガルシア・マーティン  北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 特任助教 (30537080)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードβ -glucan / Solid-phase synthesis / Dectin-1 / Glycan Microarray / Bioinformatic docking / Adjuvant
研究概要

β-グルカン固相合成法
2012年度はβ-グルカンを固相合成する上で原料となる単糖誘導体を高純度で調製し、NMRおよび質量分析にて同定した。本誘導体は脱離基にチオフェニル基、2、4、6位水酸基にベンゾイル保護基を有する。さらに、3位水酸基には9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基またはアリル基を一時的保護基として導入した。β1-3結合を連続して有するオリゴ糖鎖のオルソゴナル合成には本保護基が鍵となる。本化合物を用いて長鎖オリゴ糖の固相合成条件を最適化した。これにともない、合成中に生成するヒドロキシル基の比色検定法も独自に開発した。糖鎖形成反応の状態を精度よくモニター可能になったため、効率的に反応条件検討を実施することができた。
コンピューター上にて種々の構造を持つβ-グルカンライブラリを構築し、デクチン-1とのドッキング計算を行った。結果、高親和性のリガンド候補を見出した。かねてよりリガンド糖鎖の分岐構造が相互作用に重要であることが指摘されてきた。シミュレーションツールを利用した本解析により、分岐糖に直接作用するデクチン-1上のアミノ酸残基を詳細に推測することが可能となった。一方、共同研究者からデクチン-1組み換えタンパク質の供与を受けたことにより、糖鎖マイクロアレイを用いた生化学的アッセイが可能となった。本アレイの作成に用いる基板の表面にはアミノオキシ基が提示されており、遊離の糖鎖を温和な条件下で化学選択的に固定化することができる。本年度中に糖鎖アレイを用いた評価系を構築し、本アレイによりリガンドスクーリングの準備を完了する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

原料化合物の合成は困難が予想されたが、鋭意検討の結果、純度よく効率的に化合物を得ることができた。これが研究計画遂行の原動力となり、最適な固相合成条件を確立するに至った。さらにモデルリングおよびドッキングによるデクチン-1との相互作用解析から高親和性のオリゴ糖鎖構造を見出すなど有益な情報が得られた。さらに、デクチン-1組み換えタンパク質や糖鎖マイクロアレイなどのリソースおよび基盤技術は既に準備が整っており、最初の糖鎖ライブラリーが合成され次第、アレイを用いたアッセイを実施する。2013年度には良質な結果を国際会議や査読有学術誌にて発表できると考えている。

今後の研究の推進方策

長鎖β-グルカンライブラリを構築する。β-グルカンが直鎖状か分枝鎖状かによって2つの固相合成プロトコールを使い分ける。本ライブラリを用いて糖鎖マイクロアレイを作成する。デクチン-1との結合アッセイにてヒットした高親和性リガンドを大量合成し、NMR研究およびin vivoアッセイに供する。

次年度の研究費の使用計画

来年度の予算の大半は試薬購入に使用する。残りの予算は実験機器、消耗品、および参考書の購入に使用する。国際学会での研究発表のため、旅費にも一部使う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Versatility of Glycan Array to Study Protein-Carbohydrate Interactions2012

    • 著者名/発表者名
      Fayna Garcia-Martin
    • 学会等名
      EuroGlycanArray
    • 発表場所
      CIC biomaGUNE, San Sebastian (Spain)
    • 年月日
      20120719-20120721

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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