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2013 年度 実施状況報告書

新規Gタンパク質共役受容体リガンド探索システムの開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 24710247
研究機関東京大学

研究代表者

飯塚 怜  東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (90541954)

キーワードGタンパク質共役受容体 / 進化分子工学 / 出芽酵母 / マイクロ流体デバイス / リガンド探索
研究概要

(1) エマルジョン内でのヒトGPCRに対するリガンド合成・リガンドアッセイ
前年度に確立したWater-in-oil(W/O)エマルジョン内でのリガンド合成・リガンドアッセイ系が,ヒトのGPCRに対しても適用可能であるかどうかの検討を行った.マイクロ流体デバイスを用いて,ソマトスタチンをコードするDNAを提示した磁気ビーズ,ヒトソマトスタチン受容体 サブタイプ2(SSTR2)を発現する出芽酵母,再構成型タンパク質合成系をW/Oエマルジョン内に封入したところ,蛍光を発する酵母が観察された.これに対し,全く異なる配列のペプチドをコードするDNAを提示した磁気ビーズやDNAを提示していない磁気ビーズを封入した際は,蛍光性の酵母は観察さなかった.またヒトソマトスタチン受容体 サブタイプ5(SSTR5)を発現する出芽酵母を用いても,同様の結果が得られた.以上より,W/Oエマルジョン内でのリガンド合成・リガンドアッセイ系はヒトのGPCRにも適用可能であることが確認された.
(2) ソマトスタチン変異DNAライブラリーの作製
Overlap-extension PCR法により,ソマトスタチンの生理活性に重要であるとされている残基をランダム化した変異DNAライブラリーを作製した.次年度に,このライブラリーの中からソマトスタチン様ペプチドをコードするDNAの取得を試みる.
(3) 蛍光性の酵母を含むエマルジョンの分離・回収法の開発
マイクロ流体デバイス上で,W/OエマルジョンからWater-in-oil-in-water(W/O/W)エマルジョンを生成させ,その内部の蛍光を蛍光顕微鏡にて高感度に検出し,温度感受性ポリマーのゾル-ゲル相転移を利用して蛍光性のW/O/Wエマルジョンを分離・回収することに成功した.これにより,蛍光性の酵母を含むエマルジョンの分離・回収の自動化が可能となった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

エマルジョン内でのリガンド合成・リガンドアッセイ系がヒトのGPCRにも有効であることが確認できた.また,蛍光性エマルジョンの分離・回収の自動化に成功した.前年度の成果と合わせ,ヒトGPCRに対するリガンド探索の基盤が整った.

今後の研究の推進方策

ソマトスタチン変異ライブラリーを用い,SSTR2およびSSTR5を作動させるペプチドリガンドを内包するエマルジョンを回収,それをコードするDNAの配列を確認し,リガンドの同定を行う.また,ヒトニューロテンシン受容体 タイプ1(NTSR1)を作動させるペプチドリガンドの取得を目指す.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Yeast-based fluorescence assay system for detecting human G protein-coupled receptor activation in water-in-oil droplets2013

    • 著者名/発表者名
      Takashi Sakurai, Ryo Iizuka, Rui Sekine, Dong Hyun Yoon, Tetsushi Sekiguchi, Jun Ishii, Akihiko Kondo, Shuichi Shoji, Takashi Funatsu
    • 学会等名
      第51回日本生物物理学会年会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      20131028-20131030
  • [学会発表] Simple and Efficient Approach for Proteomic Analysis of Subcellular Structures using Droplet-Based Microfluidics2013

    • 著者名/発表者名
      Haruka Okada, Ryo Iizuka, Rui Sekine, Dong Hyun Yoon, Tetsushi Sekiguchi, Shuichi Shoji, Takashi Funatsu
    • 学会等名
      第51回日本生物物理学会年会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      20131028-20131030
  • [学会発表] Yeast-based fluorescence assay system for detecting G protein-coupled receptor activation in water-in-oil droplets2013

    • 著者名/発表者名
      Takashi Sakurai, Ryo Iizuka, Yasuyuki Tanigaki, Rui Sekine, Dong Hyun Yoon, Tetsushi Sekiguchi, Jun Ishii, Akihiko Kondo, Naoto Nemoto, Shuichi Shoji, Takashi Funatsu
    • 学会等名
      8th Asian Biophysics Association Symposium
    • 発表場所
      Ramada Plaza Jeju, Korea
    • 年月日
      20130526-20130529
  • [学会発表] 微小液滴を利用したGPCRリガンドアッセイシステムの開発2013

    • 著者名/発表者名
      飯塚 怜,櫻井 貴志,谷垣 保幸,関根 瑠威,尹 棟鉉,関口 哲志,石井 純, 中村 泰之,近藤 昭彦,根本 直人,庄子 習一,船津 高志
    • 学会等名
      第10回GPCR研究会
    • 発表場所
      日本科学未来館みらいCANホール(東京都)
    • 年月日
      20130510-20130511

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公開日: 2015-05-28  

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