研究課題
本研究では,GPCRを作動するペプチドリンガンドを効率よく創出するシステムを構築し,それを実践することを目指した.これまでに,「マイクロ流体デバイスを用いたWater-in-oil(W/O)エマルジョンの作製」,「エマルジョン内でのリガンド合成・リガンドアッセイ」,「蛍光性の酵母を内包するエマルジョンの分離・回収」,「エマルジョン内のDNAの回収」といった,ペプチドリガンド創出システムの要素技術の確立に努めてきた.26年度は,以下の二項目について研究を実施した.(1) エマルジョン内でのヒトGPCRに対するリガンド合成・リガンドアッセイ26年度初頭から,エマルジョン内でのGPCRに対するリガンド合成・リガンドアッセイが安定的に行えないという問題に直面した.様々な検討を重ねた結果,使用していた再構成型タンパク質合成系にその原因があることを見出した.これまでと異なるメーカーの再構成型タンパク質合成系を用いることで,エマルジョン内でのGPCRに対するリガンド合成・リガンドアッセイが再現性よく行えるようになった.(2) 蛍光性の酵母を内包するエマルジョンの分離・回収法の開発蛍光性の酵母を内包するW/Oエマルジョンの分離・回収を自動化すべく,オンチップ・バイオテクノロジーズ社のOn-chip Sortの使用を検討した.その結果,95%程度の効率・純度で蛍光性の酵母を内包するW/Oエマルジョンを分離・回収することに成功した.今後はこの分離・回収法と,24年度に確立したマイクロマニピュレーターを用いた回収法を併用していきたい.本研究を通じて,GPCRを作動させるペプチドリンガンドを効率的に創出するための要素技術の確立に成功した.これらの技術を集積することで,疾患に関連するGPCRを作動させるペプチドリガンドの取得が可能になると考えている.
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件)
PLoS ONE
巻: 10 ページ: e0122017
10.1371/journal.pone.0122017
Proceedings of the 18th International Conference on Miniaturized Systems for Chemistry and Life Sciences (MicroTAS 2014)
巻: なし ページ: 965/967
巻: なし ページ: 1259/1261