KRAP相同遺伝子を同定し、同分子がリンパ球におけるIP3R制御分子であり、小胞体(ER)とミトコンドリアといった細胞内小器官の連関に関わる可能性を示唆するとともに、細胞外カルシウムイオン流入依存的なKRAP相同分子のリン酸化という新たな現象を見出した。興味深いことに、KRAP分子に関しても癌細胞においてカルシウムイオン流入依存的なリン酸化の現象が認められた。細胞外カルシウムイオン貯蔵と細胞内カルシウムイオン貯蔵であるERとの間で、密接な連携が存在し、互いに制御しあう機構の存在が示唆される。さらなるカルシウムイオンシグナリング制御機構の理解が制癌法の開発には必要である。
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