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2012 年度 実施状況報告書

津波被災後の海浜植物の再生ポテンシャルの評価

研究課題

研究課題/領域番号 24710279
研究種目

若手研究(B)

研究機関広島工業大学

研究代表者

岡 浩平  広島工業大学, 環境学部, 助教 (80573253)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード海浜植物 / 植生 / 津波 / 東日本大震災
研究概要

宮城県の津波被災後の植生の回復状況を明らかにするために、植生と地形の調査を行った。調査地は、宮城県仙台市の井土浜、東松島市の野蒜と矢本の合計3地点である。各地点に数本の調査測線を設置し、海から陸方向の植生と地形の変化を把握した。調査の結果、津波による植生への影響は、地域によって大きく異なることがわかった。井土浜では地形の変化が著しく、植生の破壊が大規模であったことがわかった。また、井土浜では、クロマツの海岸林が破壊された立地に、海浜植物が侵入・定着していることがわかった。野蒜は地形の変化が少なく、津波被災の前後によって海浜植物の種組成や構造があまり変化していないことが推察された。
再生した海浜植物の繁殖様式を把握するために、各地点において代表的な海浜植物であるコウボウムギとハマヒルガオの掘り取り調査を行った。調査の結果、植生への津波被害の大きかった井土浜や矢本では、種子から再生した個体が多かった。一方、植生への津波被害の小さかった野蒜では、地下茎から再生した個体が多かった。このことから、植生に対する津波被害の規模によって、再生する海浜植物の繁殖様式は異なると考えられた。
海浜植物の津波時の海水への冠水耐性の実験を行うために、海浜植物の種子の採取および苗の育成を行った。種子の採取は、山口県光市の虹ケ浜で行った。苗の育成は、海浜植物としてコウボウムギ、ハマヒルガオ、ハマゴウ、ハマエンドウ、ケカモノハシ、ビロードテンツキの6種、外来植物としてコマツヨイグサ、オオフタバムグラの2種を対象に行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の研究計画は、野外調査として、「津波被災地の植生の再生状況の把握」、室内実験として、「海浜植物の海水への冠水耐性実験のための種子採取および苗の育成」を予定していた。今年度は、野外調査および室内実験ともに予定通りに実施することができた。そのため、今年度は研究目的に対して、おおむね順調に進展していると評価した。

今後の研究の推進方策

野外調査では、津波被災後の植生の変化を継続してモニタリングする。また、今年度は3箇所であった調査地をさらに増やし、津波被災地の広域的な植生の被害と再生状況を把握する。また、海浜植物の実生の発生と生存状況を調査し、種子繁殖からの海浜植物の再生状況を詳細に把握する。
室内実験では、今年度に育成した苗を使用して、海水への冠水耐性実験を実施する。また、海水への冠水耐性実験は、野外の個体を人工的に海水に冠水させ、冠水後の生存や成長を調査する。

次年度の研究費の使用計画

津波被災地の植生のモニタリングを継続するために、調査地までの旅費を使用する。また、海浜植物の実生の発生位置を把握するために、GPSを購入する。海水への冠水耐性実験のために、塩分濃度計や温湿度計、植物育成用の蛍光灯や台を購入する。また、関連学会で研究成果を公表するために、学会参加費や旅費を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 宮城県津波被災地における海浜植生の再生状況

    • 著者名/発表者名
      岡浩平
    • 学会等名
      日本生態学会
    • 発表場所
      グランシップ静岡

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公開日: 2014-07-24  

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