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2013 年度 実施状況報告書

津波被災後の海浜植物の再生ポテンシャルの評価

研究課題

研究課題/領域番号 24710279
研究機関広島工業大学

研究代表者

岡 浩平  広島工業大学, 環境学部, 助教 (80573253)

キーワード津波 / 海浜植物 / 海岸林
研究概要

本研究は、海浜植物の津波後の海浜植物の再生ポテンシャルを評価するために、野外調査として海浜植物の再生状況のモニタリング、室内実験として海浜植物の津波の海水冠水耐性の評価を計画・実施している。
野外調査として、宮城県の複数の海岸の微地形や植生を調査した。調査は昨年度からの継続調査であり、津波から約2年半後の状況を記録した。津波の被害の大きかった海岸では、植被率や種数は増加傾向にあり、植生は昨年に比べて回復傾向であった。一方、津波の被害が小さかった海岸では、昨年度からの植生の変化がほとんどなく、植生は安定していた。
対象地の一部では、防潮堤工事などの大規模な工事が進行しており、海浜植物への負の影響が危惧される。具体的には、津波後に海浜植物の多様性が高くなった場所が防潮堤の建設場所になったケースが確認された。また、本研究では、津波後に海浜植物が海岸林内に侵入・定着し、海岸林の破壊された場所が新たな海浜植物の生育地になっていることを確認している。このような場所において、早急な海岸林の再生のために、大規模な盛土とクロマツ植林が実施されており、海浜植物の新たな生育地が消失しつつある。
津波から約2年半後の状況として、津波破壊後の早急な海浜植物の再生が認められるが、大規模な海岸の復旧・復興工事によって、生育地が消失・縮小しつつあることがわかった。
室内実験として、海浜植物の海水冠水耐性を評価するために、海浜植物の苗の育苗、また海水冠水実験を予備的に実施している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

野外調査として津波被災地の海浜植物のモニタリング調査は予定以上の成果を残せている。1年目は3地点の海岸を調査対象としていたが、2年目の昨年度は新たに1地点を追加することができ、順調に植生と微地形のモニタリングデータを取得できている。
一方、室内実験として、海浜植物の海水冠水実験を実施しているが、発芽率が低い海浜植物があり、苗の育成がうまくいっておらず、予定より実験がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

3年目の今年度は、野外調査として、津波被災地の海浜植物のモニタリング調査を継続して実施する。また、モニタリング調査だけでなく、海岸の復旧・復興工事に対して、海浜植物の保全策を検討する。
室内実験は当初の予定よりやや遅れているため、海浜植物の苗の育成方法を確立し、海水冠水実験を反復して実施する。
上記の研究成果を踏まえて、津波被災後の海浜植物の再生ポテンシャルを評価し、人がどのように海浜植物の再生に関与すべきか検討する。

次年度の研究費の使用計画

支出の中に人件費を計上していたが、使用していないため繰越金が発生している。人件費は学生の調査補助者への支出を予定していたが、研究室の学生が卒業研究の一部などとして関与しているため、人件費としての支出は不適切と判断した。
人件費の代わりに、野外や室内実験の内容を充実させ、旅費や実験機材などとして支出し、今年度中に全額を予定通り使用する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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