本研究は、宮城県沿岸を対象にして、2011年大津波によって被災した海浜から海岸林までの海岸エコトーンにおいて、海浜植物の再生状況を明らかにすることを目的に実施した。その結果、津波による海浜植物への被害は地域によって大きく異なることがわかった。また、海浜植物は海浜より倒壊した海岸林内で生育密度が顕著に高く、海浜から海岸林へ埋土種子や地下茎が津波時に供給されたと考えられた。また、津波は比高や塩分濃度の異なる多様な凹地を生み出し、このような微環境の違いに応じて、多様な湿地植物が定着していることが明らかとなった。
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