本研究は、社会・政治環境が大きく変わりつつあるスハルト体制崩壊後のインドネシアにおいて、華人系住民の信仰実践(特に「華人の伝統宗教」とされる領域)の実態がいかなるものか、またいかに変容しているかを、質的・量的に明らかにすることを目的とした。 この目的のために、これまで自らジャワ島を中心に行ってきた調査を踏まえ、新たにスマトラ島、カリマンタン島、スラウェシ島の主要都市の寺廟の法的・宗教的ステータス等に関するサーヴェイ調査を行った。また、ジャワ島を拠点とする三教(Tridharma)系の宗教諸団体の活動の展開について集中的に調査を行い、その教義面・儀礼面における宗教体系化の動向を明らかにした。
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