研究課題/領域番号 |
24710298
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
佐藤 靖明 大阪産業大学, 人間環境学部, 講師 (30533616)
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キーワード | バナナ / アグロフォレストリー / 国際情報交換 / ウガンダ / 在来知 / 生物多様性 / 東アフリカ |
研究概要 |
本研究は、東アフリカ高地のバナナを基幹作物とする集約的農業地域において、アグロフォレストリー(樹木とほかの作物が混植される集約的な土地利用形態)の発達と住民の知識がいかなる関係にあるのかを、苗木の配布・モニタリングをとおして明らかにすることを目的としている。平成25年度は、調査配布用の苗木の育成、ウガンダ中部農村の住民への苗木の配布作業、聞き取り調査、ウガンダ西部調査のための準備をおこなった。 まず、ウガンダ側の研究者で森林生態を専門とするマケレレ大学・ジョン R. S. タブティ教授のサポートの下、配布用に選定した種の苗木の育成管理をおこなった。そして、首都カンパラから中部の調査村まで苗木を運搬し、調査に協力的な約20世帯にそれらを配布したうえで、かれらの考えや意向を記録した。また、配布に触発されて変化する住民のニーズも把握し、平成26年度における追加の苗木配布活動、およびモニタリングの方法について検討をおこなった。それとともに、ウガンダ中部とは異なる自然環境、文化社会的背景を持つウガンダ西部の農村についても調べるために、配布する苗木の樹種の検討をおこなった。類似の既存文献、World Agroforestry Centerホームページ、ウガンダの樹木事典を参考にして約10の樹種を選定した。また、西部の調査候補村のインフォーマントと連絡を取り、来年度以降の調査のための打ち合わせをおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
苗木を管理する規模と運搬の困難さ等により、苗木配布とモニタリングを計画している2地域のうち、1地域についてはまだ配布がなされていない。
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今後の研究の推進方策 |
ウガンダ中部の調査村では住民への苗木の配布を始めることができたので、この作業を継続・改良させながら、モニタリングをおこなっていく。他方でウガンダ西部においては、中部でおこなった経験を生かして、事前調査をしたうえで、苗木の配布と聞き取り調査をスムーズに進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究地域であるウガンダへの渡航回数および調査期間が限られていたため。 研究費の多くは、以下の2つに使用する。(1)現地調査、国内の研究者との打ち合わせ、参考資料収集、関連学会参加のための旅費(2)配布用苗木の管理および配布補助をおこなう方への謝金。それらに加えて、アフリカ農業、アグロフォレストリー、在来知、地域開発に関する研究図書、調査村周辺の航空写真の購入費用にあてる。
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