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2014 年度 実績報告書

南アフリカ農産物加工産業への黒人の参入に関する研究ーワインと砂糖産業の事例

研究課題

研究課題/領域番号 24710300
研究機関独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所

研究代表者

佐藤 千鶴子  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (40425012)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード南アフリカ / 砂糖産業 / 黒人の経済力強化 / 国際研究者交流
研究実績の概要

本研究は、南アフリカの代表的な農産物加工産業であるワイン産業と砂糖産業を事例に、民主化後の南アフリカにおいて農産物加工産業に黒人生産者がどの程度、どのような形態で参入しているのかを明らかにすることを目的としている。最終年度にあたる平成26年度には、南アフリカにおける砂糖産業の中心地であるクワズールー・ナタール州において、2000年代半ばに土地改革を通じて黒人がサトウキビ農場を取得したのち、異なる軌跡をたどった3事例について調査を実施した。
事例(1)ではサトウキビ生産が立ち行かなくなったのち、NGOと政府から追加資金の援助を受けて野菜が栽培されるようになり、農場の生産的利用が継続されることになった。事例(2)もサトウキビ生産に失敗し、その後、農場自体が放棄されて、農場は近隣住民が無料で家畜を放牧する場となった。サトウキビ生産を継続しているという点で唯一の成功事例とみなされる事例(3)は、土地改革を通じて13農場が1つの経営体に統合され、規模の経済が実現されたことに加えて、サトウキビを出荷する製糖工場から輸送費の補助と運用資金の借り入れができたことが、経営の安定化につながった。砂糖産業においては、サトウキビ生産者と製糖工場の相互依存関係がしばしば指摘されるが、事例(3)に支援を提供した製糖工場はBEE取引を通じてクワズールー・ナタール州の著名な黒人ビジネスマンに売却されており、サトウキビ生産を行う農場のみならず、製糖部門を中心とする砂糖産業のバリューチェーン全体への黒人の進出が実現されない限り、農産物加工産業の変革は困難であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 南アフリカにおけるコイサン復興運動と土地政策2015

    • 著者名/発表者名
      佐藤千鶴子
    • 雑誌名

      アフリカレポート

      巻: 53 ページ: 1-12

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 2014年南アフリカ選挙―民主同盟の支持率拡大2014

    • 著者名/発表者名
      佐藤千鶴子
    • 雑誌名

      アフリカレポート

      巻: 52 ページ: 46-50

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The Challenge of Khoisan Land Issues in Post-apartheid South Africa2014

    • 著者名/発表者名
      Chizuko Sato
    • 学会等名
      Reflections on South Africa's Agrarian Questions After 20 Years Democracy
    • 発表場所
      University of Cape Town
    • 年月日
      2014-08-14 – 2014-08-15
  • [図書] アフリカ・ドラッグ考―交錯する生産・取引・乱用・文化・統制2014

    • 著者名/発表者名
      落合雄彦
    • 総ページ数
      242(79-102)
    • 出版者
      晃洋書房

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公開日: 2016-06-01  

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