• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

インドの女性留保議席と政治意識の変容

研究課題

研究課題/領域番号 24710305
研究機関神戸女学院大学

研究代表者

北川 将之  神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (00365694)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードパンチャーヤット / 女性の政治参加 / インド / マイクロファイナンス
研究実績の概要

本研究の目的は、インドの村議会で約20年前に導入された「女性留保議席制度(選挙で女性だけが立候補できる枠を設定した制度)」が、女性の政治意識を高めるのではなく、逆に政治への不信感を強めている側面があることを、フィールド調査や二次的資料等を基にしながら明らかにすることにある。
3年間の研究実施計画に照らしていえば、平成24年度(1年目)にはインド社会科学研究所(ISS)の機関紙やインドの新聞記事(The Hindu等)の文献サーベイを行った。政党の村議会への過度な介入が、貧困女性の政治離れを招いている事例の資料を主に収集した。
平成25年度(2年目)は、村のフィールド調査を行った。カトリック教会カルナータカ教区の農村開発支援施設(CIRW)の協力を得て、同施設が運営するマイクロファイナンス(小口融資制度)の女性グループ・メンバーにインタビューを実施した。あるグループ・リーダーは、かつて女性枠で立候補して村議員に選ばれ、地域の公共問題に熱心に取り組んだが、2010年の村議会選挙では嫌がらせや脅し等が理由で、マイクロファイナンスのメンバーから候補者を出さなかったという。これは貧困女性が再び政治から距離を置こうとする意味で、「再周縁化」と呼びうる現象である。
平成26年度(3年目)は、貧困女性の「再周縁化」現象の具体例を更に探すために、再び農村フィールド調査(2015年2月)を行った。しかし、カースト構成、活動地域などが類似した別のグループから聞いた話は、再周縁化とは逆の内容であった。そのグループでは、女性メンバーを次の村選挙(2015年5月実施予定)で当選させるために準備を始めていた。 本研究では、インド女性の再周縁化の現象を具体例で明らかにしてきた。しかし、最終年度の調査でみられたような再周縁化の対照事例をどう理解すればよいのか。この点は多角的な比較考察が必要であり、今後の課題である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 現代インド3 深化するデモクラシー2015

    • 著者名/発表者名
      長崎 暢子、堀本 武功、近藤 則夫、田辺 明生、北川 将之、三輪 博樹、上田 知亮、木村 真希子、長崎 暢子、孝忠 延夫、近藤 則夫、今藤 綾子、志賀 美和子、山根  聡、中溝 和弥、堀本 武功、中津 雅昭、溜 和敏、伊藤 融、清田 智子、伊豆山 真理、長尾 賢、中西 宏晃
    • 総ページ数
      337(50-53)
    • 出版者
      東京大学出版会

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi