本研究の成果は、徴兵制を軸に現代韓国社会のジェンダー秩序を再構成しモデルを構築したこと、韓国の男性性の多様性と重層性を明らかにしたこと、韓国の男性性に関する実証的な研究を蓄積したこと、そして、日本における韓国研究に貢献したこと、の四点に集約される。 国防の義務が韓国社会(およびジェンダー秩序)に与える影響についての研究は、兵役の役割を再社会化もしくは通過儀礼として把握するものがほとんどであった。しかし本研究では、兵役の役割が、男性に「自己犠牲」のラベルを獲得させることにあるということを明らかにした。
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