本研究の目的は、沖縄の人口・家族変動の最新局面として、アジア移民女性を配偶者とする国際結婚とジェンダー再配置の諸相を探究することにある。結婚移民女性が集住する宮古島市を主な調査地に、商業的斡旋業者を介し結婚したベトナム人を中心にフィリピン人も含む計23名の移住女性の聞取り調査、行政および市民団体のヒアリング調査を実施、(1)沖縄の人口・出生動向とジェンダー配置がもたらす再生産「危機」の位相、(2)沖縄家族の越境的な再生産戦略、(3)アジア女性配偶者の移住経路と定住状況、(4)彼女らの主体形成と家族のジェンダー関係、(5)結婚移民女性の権利保障をめぐる課題について検討した。
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