本研究では、功利主義と義務論(直観主義)の対立にカントの倫理学はいかなる影響を与えたのか検討した。 初年度はベンタム以降の功利主義者が、カントの思想をどう理解したかの文献研究を行った。 次年度は、前年度に文献調査したうちいくつかの重要文献の検討を通じて、カントがベンタム以降の英国思想の流れにおいてどのような影響を与えたのかについて検討した。 最終年度は、海外の研究者と功利主義に関する意見交換を行うとともに、国際学会で研究報告を行ったほか、国内研究会で近年の脳神経科学や進化論研究が規範倫理に持つ影響について報告した。
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