研究概要 |
本年度は、主としてメタ存在論のサーベイを行うと共に、反実在論的アプローチに対する現状の扱いの問題点を明確化するという作業に取り組んだ。具体的な作業としては、P. van Inwagen, “Meta-Ontology” in Erkenntnis (1998) からD. Chalmers et al, Metametaphysics, Oxford University Press (2009) に加え、D. Chalmers, Constructing the World, Oxford University Press(2012) および T. Sider, Writing The Book of The World(2011)といった著作を参照しつつ、Rudolf Carnap, Huw Price, Hilary Putnamらのメタ存在論的見解と比較することで、おおまかな見取り図を作成した。 これに加えて、前述の成果を一部援用しつつ、「プラグマティズム・体系内在主義・物理主義ーー植原氏、佐藤氏、成瀬氏への回答ーー」「「心を持ったロボットをつくる」というプロジェクトはどのようなものでありうるか?」といった論文を執筆・公刊した(それぞれ東北大学倫理学研究会編『MORALIA』第19号(2012)、東北大学哲学研究会編『思索』45号第2分冊野家啓一先生御退職記念号に掲載されている)。
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